固定項目 議論:シンクロ攻撃

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【シンクロ攻撃】という命名についての議論

【シンクロ攻撃】という、命名そのものをもう一度、考え直す必要があると思います。

「シンクロ」という言葉の拠り所の1つが、2010年の世界選手権直後のFIVBのテクニカル委員会による報告 であり、この中で

・Hitters have a rapid start-up and the approach of all the hitters is well synchronized, so attack combinations look like a fast 'wave'.

という表現が登場します。つまり、世界の男子トップ・レベルにおけるアタック戦術のトレンドを「第三者目線で」見た表現が "the approach of all the hitters is well syncronized" であって、コート上の選手たちは、助走動作を「シンクロさせようと」しているわけではありません。各アタッカーが、自身の持ち味を最大限に発揮させて、アタッカーの個人技で相手のブロッカーと勝負しようとする、アタッカーが主役(attacker 1st)のコンセプトで助走した結果、助走動作が「シンクロして見える」ということだと思います。

このアタック戦術の本質はむしろ、ブロッカーの人数よりも多いアタッカーが、それぞれ別々のスロットから「一斉に攻撃を仕掛けてくる」ために、ブロッカーの選択反応時間が長く必要になって、「どこから打ってこられるか? 迷ってしまう」というところにあります。テロを連想させる、という理由で敬遠されがちですが、私はやはり【同時多発位置差攻撃】を推したいと思います。『ハイキュー!!』でもこの用語が採用されています。--Toshiki watanabe (トーク) 2014年8月24日 (日) 00:31 (JST)


TwitterなどのSNSを見ていると、MBがマイナス・テンポであったり助走動作が異なるスロットから行われていないものなど、定義に当てはまらないものでも【シンクロ攻撃】として認識されてしまっていることがあります。こうしたことが起こるのは、きちんと定義が認識されていないということもあるとは思いますが、そういった場合でも「シンクロして見える」からだと思います。【シンクロ攻撃】というように「シンクロ」という言葉を用いると、定義とは違うものもシンクロ攻撃だと認識されてしまうのではないでしょうか。 現在の【シンクロ攻撃】の定義は複数の要素(数的優位性、スロット差、狭義のファースト・テンポ)を含んでいます。このようなものの造語を考えるとき、それらの要素を字面から連想させるような【同時多発位置差攻撃】の方が、私は適していると思います。 このような理由から【同時多発位置差攻撃】を推したいと思います。--Kenta momose (トーク) 2015年3月19日 (木) 21:46 (JST)



同期(synchronization)とは,Wikipediaによれば,

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http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8C%E6%9C%9F

同期 (どうき) は、複数の事象(イベント)が同時に起こること。単に同時というだけでなく、以下のような意味あいがある。

  • 人為的な制御など、原因があって同時に起こっている(起こしている)。
  • それぞれの事象に協調性がある
  • 何度も繰り返される(必ずしも一定周期でなくてもいい)

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ということらしいです.起こっている,起こしている,どちらも含むようです.そう考えると,

同時多発攻撃=同期攻撃=シンクロ攻撃

同時多発位置差攻撃=シンクロ位置差攻撃

のような意味になり,シンクロ攻撃では,「別々の位置」という意味が含まれません. それと「位置差」=「位置の差」=「距離(m),時間(sec)」のような意味になるような気もし,個人的には「複数の位置」というイメージが浮かびませんでした.それゆえ,

  • 【シンクロ複数位置攻撃】,【シンクロ多位置攻撃】synchronized multi-position attack

いっそのことスロットを使って,

  • 【シンクロマルチスロット攻撃】synchronized multi-slot attack

などを考えてみましたが,どうでしょうか.--Yasunari mimura (トーク) 2015年3月21日 (土) 15:26 (JST)


【シンクロ攻撃】という用語をVer1.2で採用してしまったがゆえに、「シンクロ攻撃」という言葉・用語が「元々存在した」かのような印象を与えているかもしれません。また「位置差」という違和感のある言葉が、どこから出てきたのかも、伝わっていないようです。

そもそもの経緯を最初から書きますと、初版のバレーペディア(赤ペデ)で【パイプ攻撃】の定義・解説が以下の通りでした(すべて、私が書いたものです)。

「(定義)前衛プレーヤーの速攻をおとりとし、後衛センター付近からファースト・テンポまたはセカンド・テンポで打つバック・アタック」

「(解説)もともとパイプ攻撃とは時間差攻撃の1つで、前衛センターの選手の速攻をおとりに、後衛センターの選手がタンデムの位置関係で助走に入り、セカンド・テンポで行う攻撃として開発されました。・・・(中略)・・・

そこで、ブラジル男子ナショナル・チームが、世界に先駆けて、このパイプ攻撃をセカンド・テンポからファースト・テンポへと進化させました。タンデムの位置関係において、ファースト・テンポとのテンポ差(時間差)を利用したのが従来のパイプ攻撃でしたが、〝テンポ差(時間差)〟を利用せず、むしろテンポを同じにして、2人のアタッカーが助走に入る位置をタンデムでなく、ネットに対して平行にずらした〝位置差〟を利用することで、組織的に対応してくる相手ブロッカー陣に対しても有効な攻撃へと進化させたのです。

従って、ファースト・テンポのパイプ攻撃は、時間差攻撃ではありません。むしろ、前衛センターの選手と後衛センターの選手が行うダブル・クイックに見えます。リード・ブロックが主流となって有効でなくなったはずのダブル・クイックなのに、この攻撃が現在の世界トップ・レベルにおいても有効である理由は、前衛センターの選手と後衛センターの選手以外にも、別の2人のアタッカーが同時に、両サイドからファースト・テンポの助走に入ることで、4人のアタッカーが同じテンポで〝シンクロ〟攻撃を仕掛けて、4人のアタッカーがそれぞれ、おとりの役割を果たしていることに鍵があります(以下略)」

これが、世の中に正式に明文化された一番最初の表現です。この時に私が「シンクロ」という言葉を使い、このあと上記にとおり、2010年の世界選手権直後のFIVBのテクニカル委員会による報告で同じようにsynchronizedという表現が用いられたことから、「シンクロする・シンクロ助走」という言葉がtwitter上で一般化しました。

また「位置差」という表現は、当初のパイプ攻撃が「前衛MBの速攻をおとりにした時間差攻撃であった」状況において、2003年頃からジオバーニがビック(bick)を打ち始める過程において、まだ【テンポ】や【スロット】の概念が浸透していない中で、どうやってこのジオバーニの攻撃を理解してもらうかを考えた結果

・「時間(テンポ)差」ではなく「位置(スロット)差」である

という論点を明確化するために、作り出した造語です。 --Toshiki watanabe (トーク) 2015年3月22日 (日) 01:01 (JST)

【時間差】 vs. 【位置差】 という関係であったのですね.バレーボール関係者には,分かりやすいネーミングかもしれませんね.--Yasunari mimura (トーク) 2015年3月23日 (月) 12:26 (JST)

ブロックとアタックの戦術変遷図.jpg こんな感じです。--Toshiki watanabe (トーク) 2015年3月27日 (金) 19:03 (JST)


さらに、「同時多発」に関してですが、これは相手のブロッカーに対する「数的優位性」を表現したい、という思いから使用し始めました。イメージとしては、モグラたたきのような感じで、「(ブロッカー目線で)手に負えない、対応しきれない」イメージを連想して欲しいという思いです。単に「シンクロ」ですと、ダブル・クイックも「ファースト・テンポのシンクロ」でしょうけれど、それはブロッカー3人に対して「数的優位性」はないので、「同時多発」ではないのです。

「〝同時多発〟テロ」も、発生時刻はピッタリ〝同時〟ではありません。「シンクロ」というと、どうしても「助走動作から踏み切りのタイミング」が〝同時〟を連想される方が多いのですが、実際に【シンクロ攻撃】では、4人のアタッカーの助走から踏み切り動作には〝幅〟があります。あくまで「ブロッカー目線」で、考えることがカギだと思いますので、「第三者目線」の【シンクロ攻撃】という表現は、相応しくないと考えています。--Toshiki watanabe (トーク) 2015年3月31日 (火) 20:28 (JST)


参考文献