「固定項目:バレーボールの統計用語の基礎知識(詳細解説)」の版間の差分

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{{VMPoolTitle|サーブ効果率|EFFECTIVE SERVE RATIO(PERCENTAGE)|([ノータッチ・エース本数]+[ノータッチ・エースを除いたサービス・エース本数]×0.8+[相手チームのレセプションを乱した本数]×0.25)/[サーブ打数] (Vリーグの場合)}}
 
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 サービス・エース以外にも、サーブで相手チームのレセプションを乱した本数も加味して、数値を算出します。算出方法は色々考えられますが、Vリーグでは上記の換算式にて算出される数値を基にして「サーブ賞」が決定されます。この換算式の場合、ノータッチ・エースがそれ以外のサービス・エースよりも数値に大きく影響します。「相手チームのレセプションを乱した」と判断する観点が、下記の「サーブ・レシーブ成功率」における「レセプション成功」の観点同様に、この数値の評価を難しくする一つの要素です。
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 [[固定項目:サービス・エース|サービス・エース]]以外にも、サーブで相手チームの[[固定項目:レセプション|レセプション]]を乱した本数も加味して、数値を算出します。算出方法は色々考えられますが、Vリーグでは上記の換算式にて算出される数値を基にして「サーブ賞」が決定されます。この換算式の場合、ノータッチ・エース<ref name="#2">ノータッチ・エース:レシーバーが触ることなくエースを取ったサーブ</ref>がそれ以外のサービス・エースよりも数値に大きく影響します。「相手チームの[[固定項目:レセプション|レセプション]]を乱した」と判断する観点が、下記の「サーブ・レシーブ成功率」における「[[固定項目:レセプション|レセプション]]成功」の観点同様に、この数値の評価を難しくする一つの要素です。
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 また、ノータッチ・エースを相手サーバーに奪われた場合には、[[固定項目:レセプション|レセプション]]受け数にカウントされない点も、この数値の評価を難しくするもう一つの要素です。
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2014年10月20日 (月) 23:51時点における版

<知っておきたい ゲーム分析に役立つ>バレーボールの統計用語の基礎知識(詳細解説)


バレーボール用語

   アタック決定率    -- KILL RATIO(PERCENTAGE) --   




[アタック決定本数]/[アタック打数]

 国際大会においては、この数値を基に「ベスト・スパイカー(Best Spiker)」が、Vリーグなどの国内大会では、この数値を基に「スパイク賞」が決定されます。しかし、いくらこの数値が高くても、同時に被ブロック[1]数やアタック・ミスが多いと、kならずしもそのアタッカーがチームにとって貢献度が高いとは言えません。特にラリー・ポイント制へ移行後は、失点の少なさもアタッカーの能力として求められるようになりました。

 そのため最近では、被ブロック数やアタック・ミス本数を加味した、アタック効果率が重視される傾向にあり、実際、アタック効果率を基にして「スパイク賞」を決定している国もあります。


バレーボール用語

   アタック効果率    -- EFFECTIVE ATTACK RATIO(PERCENTAGE) --   




([アタック決定本数]-[被ブロック数]-[アタック・ミス本数])/[アタック打数]

 上記のアタック決定率の問題点を解消する目的で、アタック決定本数(チームの得点に関与したアタック数)から、被ブロック数とアタック・ミス本数の合計(=チームの失点に関与したアタック数)を減じて、数値を算出します。

 国際大会では「ベスト・スパイカー(Best Spiker)」はアタック決定率を基に決定されるものの、公式記録帳票では、被ブロック数とアタック・ミスの総数が “faults” としてカウントされているため、簡単にアタック効果率も算出できます。一方Vリーグでは、公式記録帳票で被ブロック数はカウントされていないため、アタック効果率は簡単には算出できません


バレーボール用語

   サーブ効果率    -- EFFECTIVE SERVE RATIO(PERCENTAGE) --   




([ノータッチ・エース本数]+[ノータッチ・エースを除いたサービス・エース本数]×0.8+[相手チームのレセプションを乱した本数]×0.25)/[サーブ打数] (Vリーグの場合)

 サービス・エース以外にも、サーブで相手チームのレセプションを乱した本数も加味して、数値を算出します。算出方法は色々考えられますが、Vリーグでは上記の換算式にて算出される数値を基にして「サーブ賞」が決定されます。この換算式の場合、ノータッチ・エース[2]がそれ以外のサービス・エースよりも数値に大きく影響します。「相手チームのレセプションを乱した」と判断する観点が、下記の「サーブ・レシーブ成功率」における「レセプション成功」の観点同様に、この数値の評価を難しくする一つの要素です。


バレーボール用語

   サーブ・レシーブ(レセプション)成功率    -- PERFECT PASS RATIO(PERCENTAGE) --   




([レセプション成功本数]/[レセプション受け数]

 Vリーグなどの国内大会では、この数値を基に「サーブ・レシーブ賞」が決定されます。レセプション成功本数とは一般的に、Aパス・Bパス[3]の本数を表します。Aパス・Bパスであれば、セッターが全てのスパイク・オプション[4]を使用できるという前提ですが、最近の世界トップ・レベルでは、敢えてセッターのセット・アップ定位置から大きくずらして、アタック・ライン付近にレセプションを返球(Cパス[3]し、その位置から全てのスパイク・オプションを使用するという戦術がみられるようになってきており(詳細解説「用語から見た戦術の変遷」参照)、「レセプション成功」の観点が複雑化してきています。

 また、ノータッチ・エースを相手サーバーに奪われた場合には、レセプション受け数にカウントされない点も、この数値の評価を難しくするもう一つの要素です。




脚注

  1. 被ブロック:ブロックされたアタック
  2. ノータッチ・エース:レシーバーが触ることなくエースを取ったサーブ
  3. 3.0 3.1   
  4. スパイク・オプション:セッターとアタッカーとの間で、あらかじめ予定された攻撃の種類・選択肢