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*スロット1およびスロット3からのファースト・テンポ
 
*スロット1およびスロット3からのファースト・テンポ
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2017年8月11日 (金) 17:36時点における最新版

バレーボール用語

   ファースト・テンポ(テンポ1)    -- FIRST TEMPO (TEMPO 1) --   




アタッカーが先に助走動作を行い、それにセット軌道を合わせることで打たせるアタック


  • スロット1およびスロット3からのファースト・テンポ


 ファースト・テンポは “first(第1の)tempo” であって “fast(速い)tempo” ではありませんセカンド・テンポサード・テンポとの違いはセット・アップからボール・ヒットまでの「経過時間の違い」ではなく、どうやってアタックを繰り出すかの「コンセプトの違い」です。「アタッカーが主導権を握って先に助走し、それにセッターが合わせる」というコンセプトで繰り出すアタックを、ファースト・テンポと呼びます。

 セット・アップを基準とした時間軸の中で、アタックを繰り出す起点がセット・アップより前にあるのが特徴であり、アタッカーはセッターを100%信頼し、自分自身にセットされるという前提で助走動作を行います。もし別のアタッカーにセットされた場合でも、アタッカーは助走動作を途中で止めることができずに、踏み切り動作の段階で止まるか、もしくは、止まれずにそのままジャンプしてしまうことになります。

 アタッカーの持ち味を最大限に発揮させるため、セッターにはアタッカーの最高到達点に向かってボールを正確に供給することが要求されます。これは、セッター位置に近接するスロットから攻撃する場合には比較的容易であり、AクイックBクイックに代表される速攻がファースト・テンポとして、1960年代には既に確立しています。一方、セッター位置から離れたスロットから攻撃する場合やバック・アタックに応用する場合は難易度があがりますが、遅くとも1992年のバルセロナ五輪でスロット5の位置からのファースト・テンポ(51)が、1988年のソウル五輪でスロット1の位置からのファースト・テンポのバック・アタック(11)が、それぞれ披露されています。ですから今から20年以上前には、ファースト・テンポは個人技によるアタック戦術として確立していたと考えられます。

  • スロット5からのファースト・テンポ動画
  • スロット3からのファースト・テンポ動画
  • スロットCからのファースト・テンポ動画


 何度も書きますが、ファースト・テンポは「速い(= “fast” )攻撃」ではありません。日本では「セッターが上げる〝速いトス〟にアタッカーが合わせて打つ」というコンセプトが幅を利かせていますが、これは「セット・アップを起点にしてアタッカーが合わせる」という意味ですから、どんなセットを上げてもファースト・テンポにはなり得ません。アタッカーはセット軌道に合わせる必要はなく、自身の最高到達点に正確に供給されたボールをダイナミックなスイングで打てばよいだけなので、初心者段階のスパイク練習にも適しています。従来から広く行われてきたスパイク練習方法として、ネット際に指導者が立ち、ネットに向かって助走してきたアタッカーの踏み切り動作に合わせてボールを手上げでセットするというものがありますが、これはまさに、ファースト・テンポのコンセプトです。