「固定項目:速攻」の版間の差分
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一方、[[固定項目:ファースト・テンポ(テンポ1)|ファースト・テンポ]]のコンセプトであっても、アタッカーの踏み切り動作が「早ければ早いほどよい」という考え方につながり、実際、日本の大抵の技術指導書では「速攻は、[[固定項目:セット・アップ|セット・アップ]]よりも先にジャンプして(=[[固定項目:マイナス・テンポ(テンポ0)|マイナス・テンポ]])空中でボールを待ち、セットされたボールの上がりばなを素早く打つのが理想」と書かれています。これに忠実に従うと、アタッカーは少しでも早くジャンプするために助走距離を削るよう指導され、全力でジャンプできなくなります。さらに、空中にいるアタッカーに向かってボールを直線的に届けよう([[固定項目:ダイレクト・デリバリー|ダイレクト・デリバリー]])という意識がセッターには働き、それを早いタイミングで打とうという意識がアタッカーに働くため、自身の最高到達点よりもはるかに低い位置でボールをヒットする結果に陥ります。実際には、ボールをヒットする位置が低ければ、[[固定項目:セット・アップ|セット・アップ]]からボール・ヒットまでの経過時間が短くてもブロッカーの反応時間も短くて済むため、[[固定項目:リード・ブロック|リード・ブロック]]に効果を発揮するアタックにはなるとは限りません。 | 一方、[[固定項目:ファースト・テンポ(テンポ1)|ファースト・テンポ]]のコンセプトであっても、アタッカーの踏み切り動作が「早ければ早いほどよい」という考え方につながり、実際、日本の大抵の技術指導書では「速攻は、[[固定項目:セット・アップ|セット・アップ]]よりも先にジャンプして(=[[固定項目:マイナス・テンポ(テンポ0)|マイナス・テンポ]])空中でボールを待ち、セットされたボールの上がりばなを素早く打つのが理想」と書かれています。これに忠実に従うと、アタッカーは少しでも早くジャンプするために助走距離を削るよう指導され、全力でジャンプできなくなります。さらに、空中にいるアタッカーに向かってボールを直線的に届けよう([[固定項目:ダイレクト・デリバリー|ダイレクト・デリバリー]])という意識がセッターには働き、それを早いタイミングで打とうという意識がアタッカーに働くため、自身の最高到達点よりもはるかに低い位置でボールをヒットする結果に陥ります。実際には、ボールをヒットする位置が低ければ、[[固定項目:セット・アップ|セット・アップ]]からボール・ヒットまでの経過時間が短くてもブロッカーの反応時間も短くて済むため、[[固定項目:リード・ブロック|リード・ブロック]]に効果を発揮するアタックにはなるとは限りません。 | ||
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2014年10月16日 (木) 16:00時点における最新版
バレーボール用語
速攻(クイック) -- QUICK(FAST) OFFENSE -- |
セット・アップからボール・ヒットまでの経過時間が短いアタック。前衛アタッカーがセッター位置に近接するスロットから繰り出すファースト・テンポが、ほぼそれに相当する
テンポが「経過時間」ではなく、どうやってアタックを繰り出すかの「コンセプト」で定義されるのに対し、「経過時間」で定義される概念が「速攻(クイック)」です。つまり、どういうコンセプトで繰り出されようとも、セット・アップからボール・ヒットまでの経過時間が短ければ「速攻」です。明確に提示するのは難しいですが、セット・アップからボール・ヒットまでが0.5秒程度までのアタックが日本では「速攻」と呼ばれており、前衛アタッカーがセッター位置に近接するスロットから繰り出すファースト・テンポが、ほぼこの秒数に相当します。
スロットの概念が浸透していない日本においては、セッターのコート上での立ち位置とボール・ヒットするアタッカーとの相対的な位置関係によって、A~Dクイックの4種類に区分することが一般的です。そのほか、ブロード攻撃の一部なども含まれます。
ブロック戦術の主流が、セット・アップを動作起点とするリード・ブロックへ変遷して以降、セット・アップより前にアタッカーの動作起点をもつファースト・テンポ(特に、狭義のファースト・テンポ)が、「リード・ブロックに効果を発揮するアタック戦術」として海外では注目を浴びることとなりました。一方、「テンポ」の概念が浸透しておらず、「経過時間」で定義される「速攻」の概念だけが存在した日本では、「セット・アップからボール・ヒットまでの経過時間が短縮できさえすれば、繰り出すコンセプトがどうであれ、リード・ブロックに効果を発揮する」という誤解が生まれました。セカンド・テンポすなわち、セッターが主導権を握ったままセットするボールのスピードや軌道の高低を工夫して〝速いトス〟を上げ、それをアタッカーに打たせるという、いわゆる〝速い攻撃〟のコンセプトがその典型例です。
一方、ファースト・テンポのコンセプトであっても、アタッカーの踏み切り動作が「早ければ早いほどよい」という考え方につながり、実際、日本の大抵の技術指導書では「速攻は、セット・アップよりも先にジャンプして(=マイナス・テンポ)空中でボールを待ち、セットされたボールの上がりばなを素早く打つのが理想」と書かれています。これに忠実に従うと、アタッカーは少しでも早くジャンプするために助走距離を削るよう指導され、全力でジャンプできなくなります。さらに、空中にいるアタッカーに向かってボールを直線的に届けよう(ダイレクト・デリバリー)という意識がセッターには働き、それを早いタイミングで打とうという意識がアタッカーに働くため、自身の最高到達点よりもはるかに低い位置でボールをヒットする結果に陥ります。実際には、ボールをヒットする位置が低ければ、セット・アップからボール・ヒットまでの経過時間が短くてもブロッカーの反応時間も短くて済むため、リード・ブロックに効果を発揮するアタックにはなるとは限りません。