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“速いトス”って何???(NOTE)


 「平行トス」はオープン・トスと対比して用いられる用語で、「オープン・トスよりも頂点高が相対的に低いセット」という意味でしかありません。こうした曖昧な用語が長年使われてきた事実に象徴されるように、日本のバレー界ではセット軌道を「頂点高が高いか低いか」だけで判断する傾向が見られます。

 さらには、攻撃の起点であり主導権を握るのはセッターであるという固定概念が強いため、セットするボールのスピードや軌道の高低を工夫して「セット・アップからボール・ヒットまでの経過時間」を短縮できれば、リード・ブロックに効果を発揮するアタックを繰り出せると考えられています。セッターを賞賛する言葉として “速いトス” というフレーズをよく耳にしますが、頂点高が低いだけでアタッカーの打点高を損なうような「平行トス」をアタッカーが打たされているケースがほとんどです。アタッカーがセット軌道に合わせている限りは、どのような軌道のセットを上げようともセカンド・テンポであって、“速いトス” を上げればリード・ブロックに対抗できるわけではありません。

 リード・ブロックに効果を発揮するファースト・テンポを繰り出すには、アタッカーに主導権を譲ることがまず大前提であり、その上で下記の詳細解説にあるとおり、先に助走するアタッカーの打点高を殺さないような「お膳立て」をすることが要求されます。「頂点高が高いか低いか」ではなく、アタッカーが自身の最高到達点でボール・ヒットできているかどうか? を常に意識しながら、セット軌道を観察することが重要です。


詳細解説