「固定項目:セカンド・テンポ(テンポ2)」の版間の差分

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ファースト・テンポの起点がセット・アップより前にあるのに対して、セカンド・テンポはセット・アップが起点です。セット・アップ前からアタッカーが動作を開始している場合もありますが、その場合はセット軌道を確認してから加速します。そのため、別のアタッカーにセットされた場合は、それを確認した時点でアタッカーは、助走動作を即座に中止できます。
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コミット・ブロックがブロック戦術の主流であった時代には、相手のブロッカーがファースト・テンポで助走するアタッカーに対してコミット・ブロックで跳んだ直後に、もう一度ブロックに跳ぼうとしても間に合わない
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 すると、今度は[[固定項目:時間差攻撃|時間差攻撃]]に対抗するため、1980年代にアメリカで新たなブロック戦術が開発されました。[[固定項目:ファースト・テンポ(テンポ1)|ファースト・テンポ]]を[[固定項目:おとり|おとり]]にセカンド・テンポで攻撃する[[固定項目:時間差攻撃|時間差攻撃]]は、後衛のアタッカーも含め複数のアタッカーがどんなに複雑に攻撃を組み合わせたとしても、結局はセットされるアタッカーが[[固定項目:セット・アップ|セット・アップ]]を起点にアタックを打つだけのことであり、ブロックする側も動作起点を[[固定項目:セット・アップ|セット・アップ]]にしてしまえば、[[固定項目:ファースト・テンポ(テンポ1)|ファースト・テンポ]]の[[固定項目:おとり|おとり]]に惑わされることはなくなります。そうした考え方に基づいて編み出されたのが、[[固定項目:リード・ブロック|リード・ブロック]]でした。
ようなタイミングで攻撃すること(時間差攻撃)を意図して、セカンド・テンポは頻用されました。
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すると、今度は時間差攻撃に対抗するため、1980年代にアメリカで新たなブロック戦術が開発されました。ファースト・テンポをおとりにセカンド・テンポで攻撃する時間差攻撃は、後衛のアタッカーも含め複数のアタッカーがどんなに複雑に攻撃を組み合わせたとしても、結局はセットされるアタッカーがセット・アップを起点にアタックを打つだけのことであり、ブロックする側も動作起点をセット・アップにしてしまえば、ファースト・テンポのおとりに惑わされることはなくなります。そうした考え方に基づいて編み出されたのが、リード・ブロックでした。
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 1990年代後半にパンチ・リード・ブロック・システムに代表される組織的な[[固定項目:リード・ブロック|リード・ブロック]]戦術が世界標準になると、「アタッカー1人対ブロッカー3人」という構図ができあがり、セカンド・テンポは無力となりました。
  
1990年代後半にパンチ・リード・ブロック・システムに代表される組織的なリード・ブロック戦術が世界標準になると、「アタッカー1人対ブロッカー3人」という構図ができあがり、セカンド・テンポは無力となりました。
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 現在では世界のトップ・レベルにおいては、ブロッカーよりも「相対的に早いタイミングで踏み切る」ことが可能な狭義のファースト・テンポの助走動作を、4人のアタッカーが行うことで攻撃を仕掛ける戦術が標準となっていますが、'''攻撃を組み立てる主導権がセッターにあるという固定観念が幅を利かせる日本では、セカンド・テンポのコンセプトのまま、セットするボールのスピードや軌道の高低を工夫することで[[固定項目:リード・ブロック|リード・ブロック]]に対抗しようとする意識が強く、〝速いトス〟を上げようとすればするほど、それに合わせるアタッカーが助走動作を行う時間的余裕がなくなり、アタッカーの持ち味を生かすことができなくなります'''。
 
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現在では世界のトップ・レベルにおいては、ブロッカーよりも「相対的に早いタイミングで踏み切る」ことが可能な狭義のファースト・テンポの助走動作を、4人のアタッカーが行うことで攻撃を仕掛ける戦術が標準となっていますが、攻撃を組み立てる主導権がセッターにあるという固定観念が幅を利かせる日本では、セカンド・テンポのコンセプトのまま、セットするボールのスピードや軌道の高低を工夫することでリード・ブロックに対抗しようとする意識が強く、&lquot; ” 速いトス&lquot; ” を上げようとすればするほど、それに合わせるアタッカーが助走動作を行う時間的余裕がなくなり、アタッカーの持ち味を生かすことができなくなります。
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'''類義語''':[[固定項目:時間差攻撃|時間差攻撃]]
 
'''類義語''':[[固定項目:時間差攻撃|時間差攻撃]]

2014年9月30日 (火) 05:47時点における最新版

バレーボール用語

   セカンド・テンポ(テンポ2)    -- SECOND TEMPO(TEMPO 2) --   




セット軌道に合わせてアタッカーが助走することで繰り出すアタック


 ファースト・テンポの起点がセット・アップより前にあるのに対して、セカンド・テンポはセット・アップが起点です。セット・アップ前からアタッカーが動作を開始している場合もありますが、その場合はセット軌道を確認してから加速します。そのため、別のアタッカーにセットされた場合は、それを確認した時点でアタッカーは、助走動作を即座に中止できます。

 コミット・ブロックがブロック戦術の主流であった時代には、相手のブロッカーがファースト・テンポで助走するアタッカーに対してコミット・ブロックで跳んだ直後に、もう一度ブロックに跳ぼうとしても間に合わないようなタイミングで攻撃すること(時間差攻撃)を意図して、セカンド・テンポは頻用されました。

 すると、今度は時間差攻撃に対抗するため、1980年代にアメリカで新たなブロック戦術が開発されました。ファースト・テンポおとりにセカンド・テンポで攻撃する時間差攻撃は、後衛のアタッカーも含め複数のアタッカーがどんなに複雑に攻撃を組み合わせたとしても、結局はセットされるアタッカーがセット・アップを起点にアタックを打つだけのことであり、ブロックする側も動作起点をセット・アップにしてしまえば、ファースト・テンポおとりに惑わされることはなくなります。そうした考え方に基づいて編み出されたのが、リード・ブロックでした。

 1990年代後半にパンチ・リード・ブロック・システムに代表される組織的なリード・ブロック戦術が世界標準になると、「アタッカー1人対ブロッカー3人」という構図ができあがり、セカンド・テンポは無力となりました。

 現在では世界のトップ・レベルにおいては、ブロッカーよりも「相対的に早いタイミングで踏み切る」ことが可能な狭義のファースト・テンポの助走動作を、4人のアタッカーが行うことで攻撃を仕掛ける戦術が標準となっていますが、攻撃を組み立てる主導権がセッターにあるという固定観念が幅を利かせる日本では、セカンド・テンポのコンセプトのまま、セットするボールのスピードや軌道の高低を工夫することでリード・ブロックに対抗しようとする意識が強く、〝速いトス〟を上げようとすればするほど、それに合わせるアタッカーが助走動作を行う時間的余裕がなくなり、アタッカーの持ち味を生かすことができなくなります


類義語時間差攻撃