「固定項目:助走」の版間の差分
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− | + | 高くジャンプするためには助走速度を十分上げる必要があり、両足踏み切りの場合四歩以上の助走が求められます。 | |
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− | + | [[固定項目:コミット・ブロック|コミット・ブロック]]が主流の時代には、相手のブロッカーを惑わすためのフェイク・アプローチがもてはやされましたが、[[固定項目:リード・ブロック|リード・ブロック]]が主流になった現代では、[[固定項目:シンクロ攻撃|シンクロ攻撃]]が世界標準となり、相手のブロッカーより高い位置でボールをヒットするため、十分な助走距離と歩数を確保しようという方向にあります。 | |
− | + | '''下記の図'''の四歩助走で説明すると、③に向かう一歩の速度がジャンプの高さを決め、その加速をいつから始めるかが問題となります。そして、トッブ・スピードに達した時点でジャンプのタイミングはほぼ決まります。 | |
− | ''' | + | '''セッターのセットにアタッカーが合わせるという前提では、セットされたボールを見てからしか加速できないので、攻撃を早くしようとすると一歩だけの加速になり、十分なジャンプができなくなります。十分なジャンプができるためには加速をもっと早い段階から、つまりセッターがボールに触れる前に始める必要があり'''、アタッカーの助走にセッターが合わせるしかないのです。 |
− | + | セッターが合わせられるために必要なのは、'''アタッカーの助走から[[固定項目:ボール・ヒット|ボール・ヒット]]のタイミングと高さをセッターが予測できるように、アタッカーが常に全力で助走し全力でジャンプすること'''です。 | |
− | + | また、助走距離と歩数を確保するためには、ファースト・コンタクトをゆっくりと返球し、[[固定項目:セット・アップ|セット・アップ]]までの時間的余裕を作り出すことが重要です。それと同時に、助走開始のタイミングを十分に早くすれば、高い打点での[[固定項目:マイナス・テンポ(テンポ0)|マイナス・テンポ]]のクイックさえも、繰り出すことができます。 | |
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2014年9月13日 (土) 14:32時点における版
バレーボール用語
助走 -- APPROACH -- |
ジャンプを伴うプレーで踏み切り前に走ること
助走の第一の目的は、より高くジャンプするためのエネルギーを得ることです。第二の目的は、セットされたボールを確実にヒットできるように、踏み切り位置まで移動することです。助走をまったくしないジャンプを「スタンディング・ジャンプ」と言います。助走の歩数と軌跡によって、下の図のような分類があります。
高くジャンプするためには助走速度を十分上げる必要があり、両足踏み切りの場合四歩以上の助走が求められます。
動く軌跡により「ストレート・アプローチ」「アングル・アプローチ」「フェイク・アプローチ」「ループ・アプローチ」などがあります。「ストレート・アプローチ」は文字通りにまっすぐ走る助走です。「アングル・アプローチ」はネットに対して斜めに助走することで、パスやセットを見やすくなり、レフトからライト方向へ助走する場合は体幹を右に開くことになって、テイク・バックが取りやすくなります。「ループ・アプローチ」は「アングル・アプローチ」同様ネットに対して斜めに踏み切りますが、内側からスタートして弧を描くように助走します。セットが短くなった場合にも対応しやすいというメリットがあります。「フェイク・アプローチ」は相手のブロッカーを惑わすために、実際の踏み切り位置と違う方向への助走を行ってから、実際の踏み切り位置に向かう助走です。
コミット・ブロックが主流の時代には、相手のブロッカーを惑わすためのフェイク・アプローチがもてはやされましたが、リード・ブロックが主流になった現代では、シンクロ攻撃が世界標準となり、相手のブロッカーより高い位置でボールをヒットするため、十分な助走距離と歩数を確保しようという方向にあります。
下記の図の四歩助走で説明すると、③に向かう一歩の速度がジャンプの高さを決め、その加速をいつから始めるかが問題となります。そして、トッブ・スピードに達した時点でジャンプのタイミングはほぼ決まります。
セッターのセットにアタッカーが合わせるという前提では、セットされたボールを見てからしか加速できないので、攻撃を早くしようとすると一歩だけの加速になり、十分なジャンプができなくなります。十分なジャンプができるためには加速をもっと早い段階から、つまりセッターがボールに触れる前に始める必要があり、アタッカーの助走にセッターが合わせるしかないのです。
セッターが合わせられるために必要なのは、アタッカーの助走からボール・ヒットのタイミングと高さをセッターが予測できるように、アタッカーが常に全力で助走し全力でジャンプすることです。
また、助走距離と歩数を確保するためには、ファースト・コンタクトをゆっくりと返球し、セット・アップまでの時間的余裕を作り出すことが重要です。それと同時に、助走開始のタイミングを十分に早くすれば、高い打点でのマイナス・テンポのクイックさえも、繰り出すことができます。